Eclipse S-COREの創設メンバーとして、ETASがオープンソースソフトウェアのエコシステム構築に参画

2025年6月24日、シュトゥットガルト– 2025年6月24日、シュトゥットガルト– ETASは、自動車業界向けの欧州オープンソースソフトウェアエコシステムを構築するための覚書に署名し、S-CORE(Eclipse Safe Open Vehicle Core)プロジェクトを全面的に支援することになりました。Eclipse S-COREおよびEclipse Working Group Software-defined Vehicleの創設メンバーとして、ETASは、これまで培ってきた専門知識を活かして、このイニシアチブの推進と実装に、積極的に取り組んでいきます。
自動車業界では、自動車用ソフトウェアの複雑さが増大し、イノベーションのサイクルが加速し、コスト削減が求められるという大きな課題に直面しています。さらに、製品のライフサイクル全体を通じて、機能安全とサイバーセキュリティに対する要求も高まっています。自動車用ソフトウェアの多くは、オペレーティングシステムとアプリケーション間の通信、認証、インターフェースのバックボーンとなるミドルウェアであり、差別化要因にはなりません。
これらの課題に効率的に対処するため、自動車分野の主要企業が覚書(MoU)を締結し、セキュアなコアスタックに基づく共有のオープンなソフトウェアエコシステムの構築を目指すこととなりました。このアプローチにより、開発工数の削減、イノベーションの市場投入期間の短縮、そして世界市場における競争力の強化が実現します。
S-COREプロジェクトを積極的に推進するETAS
Eclipse SDVワーキンググループにおいて、将来のオープンソースコアスタックの基盤となるS-COREプロジェクトは重要な役割を担います。ETASは、プロセスおよびアーキテクチャの定義、ソフトウェア開発、統合、技術サポートにおける長年の経験を活かして、このプロジェクトに貢献しています。特に、機能安全(ISO 26262)およびサイバーセキュリティに関する規格への準拠に重点を置いています。
ETASの取締役会長であるトーマス・イラワンは、次のように述べています。「ソフトウェアデファインドビークル(SDV)の課題にうまく対応するためには、対等な立場でのオープンなコラボレーションが鍵となることを確信しています。S-COREに積極的に参加することで、業界全体のための、将来性があり、認証可能なオープンソースの基盤の構築に取り組んでいます。
このイニシアチブは、コードファーストのアプローチに基づくオープンなソフトウェアエコシステムを構築するという高い目標を掲げています。その中心となるのは、機能安全に関するISO 26262要件に準拠したオープンソースソフトウェアの認定を可能にするプロセスの開発です。もう1つの重要な側面は、自動車メーカー、サプライヤー、テクノロジーパートナー間のオープンで協力的なパートナーシップの育成です。さらに、標準化されたソフトウェアコンポーネントとツールチェーンを構築することで、開発のための共通基盤が確立されます。
最後に、このイニシアチブでは、長期的なイノベーション能力とセキュリティを確保するため、車両ライフサイクル全体にわたるソフトウェアのメンテナンスとさらなる開発を非常に重要視しています。
重要なマイルストーンはすでに達成されています。初期ツールチェーンとコアスタックの最初のバージョンが確立され、セキュアなオープンソース開発のためのプロセスが定義され、外部監査も受けました。2025年末までに、主要モジュールの初期公開実装が予定されており、2026年以降、量産用プロジェクト向けのフルリリースが予定されています。
この取り組みの詳細については、https://projects.eclipse.org/proposals/eclipse-safe-open-vehicle-coreをご覧ください。
S-COREプロジェクトでは、市場をリードする車載プラットフォームソフトウェア開発スイートのソフトウェアコンポーネントポートフォリオが活用されています。このポートフォリオには、現在、RTA-VRTE(最新のAUTOSAR Adaptiveプラットフォーム機能をサポート)、EDMS(複雑なADAS/ADドメイン固有の開発向けに、高性能でデータ決定論的な通信および再計算機能を提供する)、EDGE (COVESA車両信号仕様とオープンソースのKUKSA Databrokerに基づいて、自動車アプリケーション向けの GenAI支援開発環境を実現) が含まれています。オープンソースおよびオープンスタンダードへの貢献、量産実績のある安全認証取得済みコンポーネントにより、ETAS は高計算車両分野におけるリーディングプレーヤーとしての地位を維持し、未来の SDV(ソフトウェアデファインドビークル)の実現に欠かせないミドルウェアの提供を通じて、お客様の野心的な目標の達成を加速しています。
ETASについて
ETAS GmbHは、ボッシュグループの完全子会社として設立されました。現在では欧州、北米、南米、アジアの各国に拠点を構え、グローバルに事業を展開しています。ETASのポートフォリオは、ソフトウェアデファインドビークルを実現するためのソフトウェア開発ツールやソフトウェアテストソリューション、車載ミドルウェア、データ取得/処理用ツール、オーサリング/診断ソリューション、自動車用サイバーセキュリティソリューションおよびエンドツーエンドのエンジニアリング/コンサルティングサービスを中心に構成されています。自動車メーカーやサプライヤーは、ETASの製品・ソリューションやサービスを利活用することで、独自性の高いビークルソフトウェアの効率的な開発、運用、セキュリティ保護を実現することができます。
プレス窓口 ETAS GmbH

ビアンカ・アンスペルガー
プレス・広報シニア・マネージャー