新しいMDF4の計測データ形式
業界で定評あるMDF3計測データ形式は、自動車システム開発を目的とした計測データの保存、交換、解析に長年にわたって広く利用されてきました。しかし、開発ツール間のデータ交換時間短縮とサイズの大きなデータの必要性とともに、お客様固有の情報がこの形式に導入されてきたことを考慮すると、MDF3.xが限界に達していることは明らかでした。
その結果、広く利用されてきた既存のMDF3.xバリアントを拡張し、一体化して、ファイルサイズ、グローバル時間の情報、記録システム用のイベント処理やメタデータ処理の限界を克服する、MDF4が作成され拡張されました。 計測データ解析ツールによるサポートを最大限に充実させるため、MDF4は、従来のMDF形式バージョンと異なり、ASAM(Association for Standardisation of Automation and Measuring Systems)がその定義と管理を担当しました。
4 GBから16 GBに拡大されたファイルサイズにより、MDF4を使用するアプリケーションは、1ファイルにより多くのデータを保存できるようになりました。 MDF4には他にも大きなメリットがあります。それは、計測データのアクセススピードの向上であり、変更履歴を計測データファイルに保存できるようになったことです。 また、組み込みデータの削減で保存するデータのサイズが小さくなったため、データのアクセススピードはさらに速くなります。
ETASソリューション
ETASの汎用ソフトウェアライブラリは、新しいASAM MDF4標準に完全準拠しています。 このライブラリはMDF-IPの一部であり、INCA V7やMDA V7などのETASツールアプリケーションで使用します。 このソフトウェアライブラリは、計測データを生成、利用するさまざまな作業環境に統合できる設計にもなっています。 MDF-IPは、どのようなデータ生成システムでもMDF4形式の計測データを書き込むことができ、またあらゆるデータ解析システムがMDF4形式の計測データを読み取ることのできるオープンインターフェースをサポートしています。 さらに、MDF-IPには、その他の計測ファイル形式を統合できる汎用インターフェースもあります。 フォーマットコンバータなど、お客様独自のソフトウェアアプリケーションでこのインターフェースを利用できます。
MDF-IPのメリット
- インハウスツール、サードパーティツール、ETASツール間で標準化されたデータ交換
- 計測データ形式の解釈と生成で立証済みのテクノロジ
- アプリケーションプログラミングのインターフェースは、計測データ形式の操作を完全にカプセル化
- 新しいMDF4標準をインハウスアプリケーションやサードパーティアプリケーションと短時間に統合可能
- 標準コンポーネントを統合したことで、開発コストとメンテナンスコストを節約