コネックテッドビークルは、将来おとずれる自動運転および路上の安全を実現する重要な技術です。車車間(V2V)および路車間(V2I)(総称してV2Xといいます)がデジタルワイヤレス通信で直接やりとりすることにより、車車間や路車間とのコミュニケーションを可能にしています。この技術は、自動化およびドライバー支援ソリューションの実用化に大きく貢献します。
車車間通信などの特定のアプリケーションには、数十年にわたるライフサイクルを持つ何百万もの車両を保護するだけでなく、運転者のプライバシーを守る高度なソリューションが必要です。

V2Xを活用したセキュリティ証明書管理
V2Xを安全に機能させるには、メッセージ通信の信頼性を担保するためのセキュリティインフラが必要です。特に、各メッセージの送信元が信頼され、メッセージのコンテンツ自体も外界からの干渉や更新から保護されなければなりません。
信頼性の高い環境を構築するには、メッセージのコンテンツの完全性を担保するためのデジタル署名および送信者の身元を検証するための証明書が必要です。
大規模なインフラストラクチャとプライバシー保護

V2Xセキュリティインフラストラクチャが完全展開されると、従来のものよりも数桁違う、極めて大規模な公共鍵システムが構築されます。大規模なモバイルおよび組み込みアプリケーションにおけるETASの専門知識が、堅牢で拡張可能な設計を実現します。
セキュリティ設計は、役割の分離を可能にする分散アーキテクチャーをサポートし、自動車メーカー(OEM)と高度道路交通システム(ITS)管理者が独立して運用しつつ、他方で共通の信用基盤を共有できるようにします。このシステムの目的は、全ての車両と路側装置が、たとえそれらが公式な関係を持たない異なる組織によって管理される場合であっても、確実に認証済みメッセージを交換できるようにすることです。セキュリティ設計は運転者の匿名性を確保するためにプライバシーも保護します。
国際的なITSパイロットプロジェクトの推進
ETASのソリューションと専門知識は、多数の国際的なITSパイロットプロジェクトのV2Xセキュリティインフラストラクチャの基礎となります。北米では米国運輸省の依頼により、CAMP(Crash Avoidance Metrics Partnership)のメンバーと緊密に連携して、様々なコネクテッドビークルパイロットプロジェクトをサポートしています。
欧州では、ETASはCooperative ITS Corridorパイロットプロジェクトのセキュリティプロバイダーの役割を担っています。このプロジェクトでは、ドイツ連邦政府の情報セキュリティ庁の依頼により、地域のV2X通信を保護する公開鍵インフラ(PKI)を提供しています。
許可された車両と路側装置インフラだけが通信できるようにします。
- トータルなソリューション : ETASは、車両の組み込みオンボード装置および路端のインフラのみならず、バックエンドのセキュリティインフラストラクチャ用ソリューションも提供します。
- 容易な展開と管理 : 初期の小規模な展開から量産まで、シームレスな拡張が可能なターンキーサービス。
- 標準規格に準拠 : 北米およびヨーロッパのセキュリティ標準規格に準拠しています。一つのプラットフォームは、北米またはヨーロッパいずれかの標準規格を管理します。
- 容易な統合 : セキュリティインフラストラクチャやトランザクションの実装に関わる複雑なインターフェースをすべてカプセル化しているので、将来的なセキュリティ仕様やプロトコルの更新の際も、ホストV2Xアプリケーションを効率的に切り離すことができ、煩雑な操作は不要です。
- 高性能 : 自動車生産の厳しい要件を満たす、車両および路側装置を数百万点まで拡張、管理可能なコンポーネント。
- 展開リスクを低減 : 生産時の登録プロセスおよびDCM(デバイス設定マネージャ)により、すべてのV2Xセキュリテイプロトコルを実装および証明書を管理。
- 堅牢 : ソフトウェアに対する厳しい要件および安全が極めて重要なアプリケーションのシステムデザインといった、自動車分野での組み込みセキュリティデザインに関する、ETASの広範囲な専門性を活用。