自動車セキュリティにおけるレッドチームの活躍
レッドチーミングは、自動車サイバーセキュリティにおいて重要な役割を果たします。実際の攻撃者の戦術・技術・手順(TTP)を使い、現実世界の攻撃をシミュレーションすることで組織の防御体制をテストし、潜在的な脆弱性を検出するとともに、セキュリティ対策を強化します。これにより早期対応が可能となり、重大な損害を防止できます。
しかしレッドチーミングは誰もができるわけではありません。ベースとなるセキュリティ防御とインシデント対応能力を備えた、成熟した組織だけが実行できる仕事です。堅牢なセキュリティインフラを持つ企業には、レッドチーム活動を活用して自社のプロセスと検知機能をテストし、高度な攻撃に対して十分に保護されているかどうかを確認することをお勧めします。
2025年1月放送の「Empowering Tomorrow’s Automotive Software」ポッドキャストでは、ETASのレネ・ロイターとウォルフガング・ノイフェルトが、レッドチーミングの奥深さを解説しています。主なトピックは以下の通りです。全編はこちらから視聴いただけます。お使いのポッドキャスト配信サービス(Spotify、Apple Podcasts、Amazon Music、iHeart Radioなど)でもお聴きいただけます。
レッドチーミングと侵入テストの違い
レッドチーミングと侵入テストは、脆弱性の特定を目的とする点では共通しますが、その範囲と手法は異なります。侵入テストは、定義された範囲内で可能な限り多くの脆弱性を発見することに焦点を当て、詳細な技術情報を伴うことが多い一方、レッドチーミングは、あらゆる脆弱性を利用して、機密データの窃取やシステムの侵害といった特定の目標を達成することを目的とします。
自動車産業における採用事例
車両の接続性が高まるにつれ、自動車業界においてレッドチーミングは不可欠となっています。現代の車両はモバイルアプリケーションやバックエンドサーバーを含むさまざまなシステムと接続されており、サイバー攻撃の潜在的な標的となり得ます。レッドチーミングは、こうした相互接続されたシステム内の脆弱性を識別し、車両の安全性とセキュリティを確保するのに役立ちます。
自動車産業における主要な脅威はサプライチェーン攻撃です。開発者のシステムを侵害することで、攻撃者は最終的にECU(電子制御ユニット)に到達するソフトウェアに悪意のあるコードを注入できます。これは深刻な結果を招き、車両フリートを危険に晒す可能性があり、レッドチームテストの必要性と重要性を裏付けるものとなります。
内部レッドチーム対外部レッドチーム
内部レッドチームと外部レッドチームの使用については、現在も議論が続いています。内部レッドチームは組織のシステムに精通している利点があり、継続的なテストを実施できます。一方、外部レッドチームは新たな視点をもたらし、特にソーシャルエンジニアリング攻撃において、現実世界の攻撃をより効果的にシミュレーションできます。両者とも独自かつ貴重な価値を提供するため、一般的には内部チームと外部チームの両方を使用することが理想的です。
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