MATLAB® および Simulink®

ETASのツールは自動車ソフトウェア開発のあらゆる段階におけるドメイン特有のアプリケーションに対応し、ソフトウェア開発者や機能開発者のほか、テストエンジニア、適合エンジニア、研究エンジニアなどにご利用いただいています。その対応範囲は、ソフトウェアや制御ユニット(ECU)の統合から車載ECUの適合に至るまで多岐にわたります。一方、自動車業界においてはMATLAB®/Simulink®ツールが電子制御機能の開発、プラントのモデリング、最適化タスクといった用途で多くのユーザーに使用されています。

ETASでは、両ツールの利点をシームレスに統合できるよう、幅広いMATLAB®/Simulink®インターフェースを提供しています。これらのインターフェースを活用すると、両ツール環境を使用するエンジニアは、それぞれの開発タスクに適したソリューションを利用できるようになります。

本ページでは、ETASツールが提供するMATLAB®/Simulink®インターフェースの概要について説明します。

機能開発、計測、適合

ETAS INCA-SIPは、実行中のETAS INCAおよびMATLAB®/Simulink®向けHEX/A2Lファイルに対応する共通インターフェースです。

ETAS INCA-SIP – Simulink® 統合パッケージ

ETAS INCA-SIP – Simulink® 統合パッケージはお客様の Simulink®モデルの計測、適合、データ記録用にSimulink機能開発者に効率的で自動車に特化した環境を提供します。

INCAを使い、開発の期間、適合エンジニアの間で実験環境の設定やデータの記録を簡単に再利用することができます。シミュレーション中、INCA-SIPは、仮想XCPプロトコルにより MATLAB®/Simulink®をINCA に接続します。

ETAS INCA-MIPで作成したMATLAB ®実行可能スクリプトを使うことで、ETAS INCAでの計測・適合を自動化

ETAS INCA-MIP – MATLAB®統合パッケージ

エンジン制御機能の数学的最適化や計測・適合業務の自動化には、多くのユーザーがMATLAB®を利用しています。

ETAS INCA-MIP – MATLAB®統合パッケージはMATLAB® ツールボックスの形式でINCAコアシステムのさまざまな基本機能にアクセスできるINCAのアドオンソフトです。

検証担当エンジニアは、バイパス技術によりファンクションプロトタイプをECUに接続した後、INCAおよびINCA-EIPを使用してモデリング済みの自動車電子制御システムを検証することができます。

ETAS INTECRIO-RLINK – プロトタイピングブロックセット

ETAS INTECRIO-RLINK – プロトタイピングブロックセットは実環境でのSimulink® ファンクションモデルのラピッドプロトタイピングを可能にします。本製品はETAS ES830ラピッドプロトタイピング製品およびES900プロトタイピングハードウェアファミリをサポートしています。INTECRIO-RLINKには、統合プロトタイピング環境ETAS INTECRIOと同じETASプロトタイピングハードウェア設定オプションが用意されています。

ファンクションプロトタイプは高い実績を誇るバイパス技術を使って電子制御ユニット(ECU)に接続することができます。ユーザーは、ETAS INCAを使用することにより自動車のSimulink®電子制御システムモデルを完全に検証することができます。

また、INTECRIO-RLINKを使用すると、ユーザーはSimulink®環境を維持したまま作業し、ETASが用意した複数のブロックセットにより、ハードウェアの設定を行うことができます。

ETAS INTECRIOでは、Simulink®を使用して生成されたデータやモデルをプロトタイピング用にインポートして統合することができます。

ETAS INTECRIO – 統合プロトタイピング環境

ETAS INTECRIOを使用すると、実環境PC上で自動車電子システムのプロトタイピングを行えるようになります。INTECRIOは、ラピッドプロトタイピングの実験環境、およびファンクションモデルやソフトウェアコンポーネントを統合するためのプラットフォームなどで構成されます。

ETAS INTECRIO統合プロトタイピング環境を使用すると、PC上や実環境で電子システムのプロトタイピングを実行できるようになります。MATLAB®/Simulink®モデルとETAS ASCETモデルの統合だけでなく、AUTOSARソフトウェアコンポーネントの統合もサポートしています。

車載テスト向けには、プロトタイピングモジュールES830や、ETAS ES900ハードウェアファミリのモジュールの他、さまざまなバイパス技術がサポートしています。INTECRIOのCOM APIを使用すると、複雑なプロセスも容易に自動化することができます。また、お客様固有の技術により、個々の使用事例に合わせてINTECRIOをさらに調整することも可能です。INCAソフトウェア製品では、最終テストを実際のハードウェアを使用して通常の方法で実施できるため、自動車機能のプロトタイピングを汎用性と柔軟性に優れた形で行うことができます。

ETAS EHOOKSはプロトタイピング、テスト、適合のためにECUソフトウェアにバイパスフックを提供します。

ETAS EHOOKS – バイパスフック(スイッチングポイント)追加ツール

ETAS EHOOKS は、ECUソフトウェアにバイパスフックを簡単に追加できるツールです。 EHOOKSは、HEXデータおよびA2L ECU記述ファイルからの情報のみを使用します。

Simulink®統合パッケージを使用すると、Simulink®内からECU HEXファイルの構築と自動ビルドを行うことができます。そのため、オンターゲットバイパス実験用のSimulink®モデルをECUソフトウェアに容易に統合することができます。プロセスの制御はSimulink®内でのみ行われるため、ビルドプロセスはシンプルです。

S-functionエクスポート機能により、ASCETで生成したモデルのコードをMATLAB®で処理することができます。

ETAS ASCET – モデルベースソフトウェア開発

MATLAB®およびSimulink®と併用すれば、ソフトウェア開発者は(ETAS ASCETを使用して生成された)コードを持つ特定のモデルをシミュレートおよびテストすることができます。そのため、ASCETではS-functionエクスポート機能を提供しており、MATLAB®で適切にコード処理を行えるようにしています。これにより、開発者はETAS ASCETとSimulink®の固有の利点を活用しつつ、ECUソフトウェアやECUファンクションの物理的挙動をモデリングすることができます。そのため、たとえばASCET-DEVELOPERで物理的コントローラ機能を開発し、MATLAB®にエクスポートすることが可能です。MATLAB®では、これらを経路、車両、およびドライバーモデルと連動させてシミュレートすることができます。

ハードウェアインザループテスト (HiL)

ETAS COSYM-HiLは、ETAS LABCAR-HiL環境にSimulink®モデルを統合するためのインターフェース記述データを生成します。

ETAS COSYM-HiLツールでは、Hardware-in-the-LoopテストシステムであるETAS LABCAR(LABCARコンポーネント概要を参照)にSimulink®環境モデル(車両、ドライバー、および環境の挙動を記述したモデル)を統合することができます。Simulink®モデルでは、例えばドメイン特有のシミュレーションツールなど、他のソースからのモデルを組み合せて一体化することができます。

ETAS LABCAR-RTPCソフトウェアを使用して、リアルタイムマルチコアPC上で複数のモデルを並列実行することにより、高いシミュレーション性能が実現します。

データに基づいたモデリングと最適化

ETAS ASCMOモデルは、MATLAB®/Simulink®形式との互換性を維持したままエクスポートすることができます。

ETAS ASCMO – 複雑なシステム挙動を正確に予測

ETAS ASCMO を使用すると、最小限の計測データから高精度のプラントモデルを作成することができます。

ETAS ASCMOでは計測データをベースとしているため、複雑なシステム挙動を高精度な数理モデルとして体系化し、仮想的な計測を行うことができます。そのため、極めて複雑なシステム挙動でも、パラメータ設定なしで迅速かつ容易にモデリングを行うことが可能です。

この高精度なETAS ASCMOモデルは、マウスをワンクリックするだけでSimulink®にエクスポートでき、Simulink CoderTMを使用してコード生成を行う場合のコンポーネントとして使用することができます。高精度のETAS ASCMOモデルを使用すれば、シミュレーションの精度と速度を同時かつ大幅に向上させることができます。

Software-in-the-Loop(SiL)テスト

S-functionインターフェースにより、Simulink®モデルとバーチャルECUを相互に時間同期させて実行することができます。

ETAS ISOLAR-EVE – バーチャルECUとの連携

ETAS ISOLAR-EVEでは、PC上ですばやく効果的にECU量産コードをテストできるようにするため、シミュレーションツール、テストツール、および適合ツールと互換性のあるオープンな汎用インターフェースを利用して、既存の実行環境やテスト環境に容易に統合できるバーチャルECUを生成します。また、Simulink®に統合するためのS-functionインターフェースを使用すると、内部信号にアクセスできるため、Simulink®モデルおよびバーチャルECU間でのデータのやり取り(読み取りおよび書き込み)が可能になります。

S-functionインターフェースでは、Simulink®モデルおよびバーチャルECU間の時間調整も可能なため、バーチャルECUを仮想時間に基づいて相互に同期実行することも可能です。これにより、Simulink®を使用してクローズドループ制御システムでバーチャルECUをテストできるようになります。

ISOLAR-EVEでは、統合テストフレームワークも提供しています。そのため、あらゆるAUTOSARソフトウェアコンポーネントの単体テストやコンポーネントテストが可能です。また、これらのソフトウェアコンポーネントをSimulink® Embedded Coderで生成すると、後工程においてPCのAUTOSAR OSを使用して、ISOLAR-EVEテストフレームワークでテストを直接実行できるようになります。さらにそれ以降の開発プロセスでは、他のソフトウェアコンポーネント(アプリケーションソフトウェア、基本ソフトウェア、RTE)と組み合わせることにより、機能テストや統合テストも容易に行えます。

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